日本人のうち年収1200万円以上の人は、5%未満しかいないそうです。
高収入で羨ましい、さぞかし余裕のある暮らしをしているんじゃないかと思われがちですが、実際には各種控除や補助金の対象外になり、特に子育て中のご家庭では「あんまり豊かじゃないな」と感じる人も少なくありません。では、どうして年収1200万円でも豊かになれないのかを検証してみました。
所得税、住民税、社会保険料で引かれて、手取りは意外に少ない
まず、年収900万円を超えると所得税が33%に上がります。900万円未満のときと比べていきなり10%も税率が上がるんですね。
また、財務省の発表によると、日本国民の税金や社会保険料の負担率は平均47.5%。高所得者は少なくともその10%以上は負担しているので、57%以上を失ってしまいます。つまり、手元に残るのは所得の43%。年収1000万円でも430万円しか残らないわけです。
配偶者控除も受けられない
配偶者の収入に応じて所得控除できる制度ですが、こちらも年収900万円を超えると配偶者控除の額が減っていきます。妻を扶養していても税金をがっつり取られてしまいます。
あらゆる子育て支援が受けられない
さらに、所得制限によりあらゆる子育て支援制度の対象外になってしまうので、子育て中であっても何の恩恵も受けられません。
児童手当
児童手当は、世帯主の年収がおよそ900万円未満だったら、総額約200万円が支給されます。
年収約900万円から1200万円未満だったら、特例給付金となり総額約108万円が支給されます。
年収1200万円以上だと、全く支給されません。
医療費助成
お住まいの地域によっては所得制限がない場合もありますが、所得制限がある地域の方は対象外。
私立高校授業料無償化
私立高校に進学した場合、世帯年収910万円以上は対象外。
大学の奨学金
給付型奨学金(返済不要):年収約300万円以上は対象外
第一種奨学金(無利子・返済必要):年収約650万円以上は対象外
第二種奨学金(有利子・返済必要):年収約1000万円以上は対象外
世帯年収300万円未満の夫婦A vs 夫の年収1200万円の夫婦Bで、ざっくり比較してみた
それでは、上記のような条件の夫婦2パターンで、どれだけ受けられる子育て支援の額が違うか、ざっくりと比較してみました。
A | B | |
児童手当 | 約200万円 | 助成なし |
乳幼児医療費助成制度 | 無料 (つまり、年間約25,000円(※)×6年間=約15万円貰えたことになる。) | 無料 (つまり、年間25,000円(※)×6年間=15万円貰えたことになる。) |
義務教育就学児医療費助成制度 | 1回200円で済む (つまり、年間約25,000円×9年間=約22万円貰えたことになる。) | 助成なし ※自治体によっては助成あり |
高校生等医療費助成制度 | 1回200円で済む (つまり、年間約25,000円×3年間=約7万円貰えたことになる。) | 助成なし ※自治体によっては助成あり |
保育料無償化 0~2歳 | 概ね高所得者よりも月額約2万円ほど安い (つまり、約72万円貰えたことになる。) | 助成なし |
保育料無償化 3~5歳 | 給食費 無料 (つまり、年間約6万円×3年間=約18万円貰えたことになる。) 保育料 保育園は無料 幼稚園は25,700円まで助成 (つまり、約90万円貰えたことになる。) | 給食費 助成なし 保育料 保育園は無料 幼稚園は25,700円まで助成 (つまり、約90万円貰えたことになる。) |
就学援助制度 小学生 | 約50万円 | 助成なし |
就学支援金 中学生 | 約40万円 | 助成なし |
塾代補助 | 約50万円(合格したら返還免除) | 助成なし |
大学無償化 | 約135万円 | 助成なし |
奨学金 (給付型の場合) | 約144万円 | 助成なし |
令和3年度 子育て世帯への臨時特別給付金 | 10万円 | 助成なし |
合計 | 約853万円 | 約105万円 |
いや~、調べてみると低所得者の子育て支援金がどれだけ手厚い事か・・・・。びっくりしました。さらに一人親世帯にはもっとたくさん助成制度がありますからね。
ただし、住んでいる自治体や子どもの人数によって、支援金の額は複雑に変わってきますのでご注意ください。
世帯収入300万円未満のご夫婦Aが受け取れる支援金は、子供1人につき約853万円。
一方の高収入ご夫婦Bが受け取れる支援金は、子供1人につき約105万円。
その差、約748万円!!
わーお。ちょっとこれはすごいですよね。
まさに、働けば働くほど貧乏になる。
働いたら負け。働いたら負け。働いたら負け・・・
本当にお金持ちなのは、だれ??
本当にお金持ちなのは、「資産があってあまり働いていない人」と「収入から経費を引ける人」です。
「資産があってあまり働いていない人」とは、例えば1億円の資産があって、それを年3%のリターンでFIREしているご家庭があったらどうでしょう?1億円を資産運用しながら、年間300万円の収入を得て暮らしている人です。そういう世帯でも子育ての助成金はしっかり受けとれるんですよね。
「収入から経費を引ける人」とは、政治家とか評論家とか、自営の人ですね。だいぶ前に、舛添元都知事が生活費もろもろを経費として計上していて問題となりましたが、法律的には合法でしたよね。こうした人たちも、手元に残るお金は多いし、収入は多くても税制上の所得はかなり低く抑えられるので、お金持ちになります。
ESBIの図を見てピンッ!と来る人たちはわかっていると思いますが、「E」の位置にいる限りお金持ちにはなれません。
日本ではやたら年収が多い人に多くの負担を求めるけれど、年収1000万円前後のサラリーマン家庭って、全然豊かじゃないんですよね・・・。
しかし、サラリーマンで年収1,000万円以上の人は間違いなく「優秀な人材」です。日本の経済を支えているのは、この人たちです。この優秀な人たちの子供を増やさないなんて、もったいないなーと思いますけどね。日本の未来を考えたら、子育て支援の所得制限はさっさと撤廃した方がいいと思います・・・
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